第7章 池田屋事件
土方「総司!」
土方の声に風間が反応する。いまだ!
風間「――む」
萩は風間に斬りかかる
総司はその微かな隙を突く
総司の一撃を風間は何とか受け止めた
でも、大きく体勢を崩して、不愉快そうに顔をしかめる
総司は敵に剣を向けながら、私にだけ聞こえる小さい声でささやいた
総司「萩ちゃん。後で、いっぱいほめてあげるよ」
風間「こしゃくな・・・・・・!」
風間の刀は今まで以上の速度で振り下された
総司は今までのように、自分の刀でその一撃を受け止める
・・・でも、上段からの攻撃はあまりにも重かった
微かに総司の体勢が崩れると、その隙を見逃さず風間は動いている
総司「がっ!?」
腕力と同じく凄まじい脚力で風間は総司を蹴りつけた
その衝撃に総司は床に転がり、胸元を押さえながら赤い血を吐く
土、一、萩「総司っ!!」
思わず総司に駆け寄る
萩「総司!だいじょうぶ!?」
言葉を返す余裕もないようで、総司は辛そうに咳き込んでいる
私は怒りを込めて風間を睨み付ける
風間「・・・おまえも邪魔立てする気か?俺の相手をすると言うなら受けて立つが」
萩は顕明連を握りしめ風間と対峙する
萩「総司は殺させない!」
床を蹴り萩は風間に斬りかかる
萩「はぁぁー!!」
素早く攻撃を繰り出す。
風間「ほぉ。腕を上げたな・・・だが」
萩「っっ!!」
風間の振り下す刀は重い。横に受け流し体勢を立て直す
その時総司が庇う様に立ち上がった
萩「だめよ、総司!」
骨が折れてるかもしれないのに・・・戦えるどころか立ち上がれる状態じゃない
なのに総司は私の前から動かなかった
総司「・・・あんたの相手は僕だよね?萩に手を出さないでくれるかな」
風間はせせら笑った
風間「愚かな。その負傷で何を言う。今の貴様なぞ、盾の役にも立つまい」
総司「――黙れよ、僕は役立たずなんかじゃないっ・・・」
総司は怒りもあらわに声を荒げるが
萩「総司。大きな声を出しちゃ駄目よ」
土方「総司、やめろ!」
総司は肩膝をつき刀で体を支える