第6章 約束の印
萩「私の名前は・・・雪村・・雪村萩です」
千鶴「えっっ!」
千鶴が驚き声を上げる
萩「千鶴ちゃん小太刀(小通連)を持っているはず。離れ離れになる時に渡した物で雪村本家の証。対になる大太刀(大通連)は双子の兄に渡しています
そして二振りの対となる顕明連という刀を私は持っています」
千鶴「それじゃあ、父様は本当の父様じゃないの?」
萩「貴女は分家の雪村鋼道の娘として引き取られていたの」
千鶴の問いに静かに頷き答える
萩「貴女はこれからも雪村鋼道の娘でいなさい。風間に本家の生き残りとばれてはいけないわ、狙われるのは私だけで良い」
千鶴「狙われる?」
総司「どうゆうこと?」
千鶴と総司が同時に尋ねた
萩「私達鬼の一族に女が産まれるのはまれなの。
風間は東国最強の雪村本家の純潔の鬼を妻にしたいの、妹だとばれたら千鶴のことも攫いに来る。絶対にばれてはダメよ!」
土方「さっきから言ってる鬼ってのは何なんだ?」
萩「私達は人間ではありません。鬼の一族です」
総司の手をキュと握りながら土方の問いに答える
千鶴「・・・私も鬼なの?」
千鶴の手が小刻みに震える
平助「人間じゃねぇって、人間にしか見えねぇぞ」
萩「みためは人間と同じですが身体能力が人間より優れている者が多いんです。
後は説明するよりもみてもらった方が早いかな?総司、刀を貸してくれる?」
総司に刀を借りると腕を軽くスッと斬る
あっという間に傷は塞がっていく
『なっっっ!!!!』
萩「これが鬼の力です。千鶴ちゃん貴女怪我が人より早く治るでしょ?」
千鶴「・・・はい」
山南「素晴らしい!!あの身体能力に治癒能力!何より太陽の下でも動ける!まさに完璧だ!」
最高の研究材料が見付かった喜びに震える山南に
土方「山南さんちょっと待て千鶴と萩は実験材料じゃねぇ」
近藤「女に手を出すなど言語道断!」
平助「萩に近づいたらダメだ!」
総司「僕のひめちゃんに手を出すなんていくら山南さんでも容赦しませんよ?」
萩を背に隠し殺気を放ちながら微笑む
山南「嫌ですね、私が無理強いする訳ないでしょう?」
全く感情が籠っていない微笑みをこぼす