第5章 あなたの声
千鶴「あの。私はもともとの住まいは江戸にあります。連絡の途絶えた父を探して京に来ました」
そして、そのまま千鶴が何の気なしに父親の名前を告げた途端、 部屋中の空気が変わった
山南「と言うことは君は鋼道さんのご息女ですか」
千鶴「はいっ。雪村千鶴と申します」
藤堂「えぇぇー、まじで、女ー!?」
藤堂の声が広間に響いた
土方「平助うるせえ!みりゃわかんだろうが!」
近藤「君も美人さんだとは思っていたんだが、まさか本当に女性だったとはなあ・・・」
近藤は妙に感じ入った様子で、うんうんと何度もうなずいている
永倉「女だ女だって言うが、別に証拠は無いんだろう?」
千鶴「しょ、証拠と言われましても・・・」
不機嫌そうに頭をかく永倉さんを見て、原田は楽しげに笑った
原田「証拠も何も一目瞭然だろうが。何なら脱がしてみるか?」
近藤、萩「ダメだ!!『ダメです!!』」
近藤と萩の声が重なって聞こえた
近藤「許さん、許さんぞ!衆目の中、女子に肌をさらさせるなど言語道断!!」
近藤は真っ赤な顔をして、千鶴が抗議するよりも早く主張した
原田「それが一番手っ取り早いと思ったんだが・・・」
永倉「でもよー。あいつらを倒せるような女なんているか?逃げるための言い訳じゃねぇの?」
すると、さっきまで退屈そうに聞いていた沖田が新しい玩具をみつけたように楽しそうな笑みを浮かべて萩に近づいて来た
沖田「新八さんの言うこともわかるよ。僕たちを騙す為に女の格好してるだけかもね?」
笑顔全開で沖田は萩の前にしゃがみ込み
沖田「君、脱いでみる?・・・だってあいつを素手で倒したでしょ。本当に女なのかな?」
萩「・・・疑ってるんじゃなくて面白がってますよね?」
はぁぁーっとため息を吐きその場にスッと立ち上がり帯締めに手をかけるとスルッと帯を外し畳に落とす
髪留めを外し軽く頭を振る、長い黒髪がさらさらと揺れる
着物の衿を開き腕を抜きぱさりと脱ぎ捨てて襦袢姿になる
一同が萩の行為に驚きながらも釘付けになる
やっぱりこれも脱がないとダメかな?
紐を解き袷が微かに開き太ももと胸の谷間がみえる
土方「もういい!!やめろ!?」
はっとしたように土方が声を上げた