第5章 あなたの声
???「・・・ねえ」
萩「・・・んっ?」
声が聞こえる
???「・・・ねえ。斬られたいの?」
萩「えっ!!お、沖田さん!!」
沖田「そうだよ。まだ寝ぼけてるの?土方さんがもう一度君たちと話しがしたいってさ」
枕元に片膝をつき萩の顔を覗き込む
萩「ごめんなさい。すぐに準備しますね」
ガバッっと起き上がる
沖田「何なら着替え手伝ってあげようか?」
立ち上がりくすくす笑いながら萩を見下ろす
斎藤「なにをしている総司」
沖田「ああ、斎藤君ちょうど今起こしたところだよ」
くすくす笑う沖田を横目に見ながら2人に声をかける
斎藤「すまないが少し急いでくれ。皆が待ってる」
千鶴、萩「はいっ!」
千鶴と萩は急いで身支度をすまし、沖田と斎藤に連れられ昨日の広間へと歩き出す
斎藤「お待たせしました」
部屋には昨日と同じメンバーがずらりと並んでいる
相変わらず殺気が凄いな
千鶴と共に中央の席に座る
近藤「すまない。皆で話しをしていたのだが君たちが何故あんな時間にいたのか教えてくれるかい?」
萩は千鶴を見てから先に話しはじめる
萩「私は山口萩と申します」
萩「私の家は道場をしています。私はそこの跡取りとして幼い頃からいろいろな稽古をしてきました。なので、大体のことは出来ます。あの日は父に騙されお見合いを・・・・」
見合いと聞き藤堂が口を出す
藤堂「見合いって、結婚すんの?」
萩「しません!!私よりも弱い男なんて願い下げです!!」
物凄い剣幕で言う萩に藤堂はひるむ
萩「結婚相手の条件は"私を倒せる人”なんです」
萩「父に騙されて頭にきてたからお見合い相手を投げ飛ばして逃げちゃいました」
萩「そしたら弟子達に追いかけられちゃって、逃げてる内に道に迷い彷徨っていたら、その子が襲われていたです」
萩はチラッと千鶴を見ると、こくこくうなずいている
萩「とっさに突き飛ばしどうにか男を倒しました」
萩「その後は沖田さん達に逢い今に至ります」
私の話しは以上です、と言い口を閉じ千鶴に目配せをする