第12章 頂上戦争
すると、処刑台の下で一人の海兵が事態を報告しに来た。
「センゴク元帥、報告します!正義の門が誰の指示もなく勝手に開いております!」
「なんだと⁉︎」
ほうら、おいでなすった。
きっとすぐに来るよ。
全員が固唾を飲んでその時を待つ。
…が、いっこうに白ひげは現れない。
全員が違和感を持ち始めたその時警報が鳴り響く。
「全員戦闘体制!!」
その指示を合図に大砲は全て湾頭の方へ照準が合わされる。
水平線の向こうで多数の船が確認できた。
「突如現れたぞ!一体どこから?」
さすがのセンゴクも予想外だったようだ。
ま、最初っから予想通りもどうかと思っていたけどね。
相手は何回も言うように白ひげ。
一瞬でも気をぬくとすぐにこちらがやられてしまう。
それぞれの船に白ひげ傘下の海賊達のジョリー・ロジャーは見えるけれども肝心の白ひげの船は未だに確認できない。
どれも、新世界で名を轟かせている海賊達。
たとえ隊長の姿が見えなくても油断は禁物。
それに、必ず白ひげももうこのマリンフォードにいるはず。
どこからやってくるかもわからない巨大な敵に神経をとがらせる。
「…ん?」
大将全員が反応した。
これは…
突然湾内の水が突きあがり、ジワジワと波が広がっていく。
「湾内海底に影が…」
これは…海軍としては不都合な場所に現れるね。
海兵達の配置を間違えたんじゃい?
波がドンドン高く打ち上がってくる。
「なるほど、全船コーティング船で海底を進んでたってわけね」
予想外にもほどがあるんじゃない?
これはセンゴクもよめないはずだよ。
最後に大きな突き上げとともに白鯨の船が姿を現した。
そう、白ひげ海賊団を運ぶモビーディック号だった。
海兵たちは茫然としている。
その後、モビーディックに続くように海兵から現れる3隻の船。
16人の隊長達が揃っていた。
…これはかなりやばいんじゃない?
湾内に隊長16人の侵入を許しちゃうなんて。
最後に、モビーディック号の先頭に1人の男が出てきた。
一気に緊張が走る。
「グラララララッ、何十年ぶりだ?センゴク」
「白ひげ…」
威圧と共に出てきた男“白ひげ”
かつて海賊王ゴールドロジャーと互角に渡り合った男。