第12章 頂上戦争
『…やっぱり、驚くよな。父親が海賊王だなんて』
『いや、てゆーかそれがどうしたの?』
バッサリと切り捨てた。
『え…』
エースにとっては予想外の答えだったのかポカンと間抜け面を晒している。
イケメンなのにもったいない。
『別に父親がロジャーだからとか関係なくない?エースはエースでしょ?』
しばらくの沈黙があった。
『ぶはぁっ!くくくっ…!!』
…いきなり吹き出しましたよこいつ。
失礼なやつ。
てゆーか、
『私、ちゃんと真面目に答えたのに』
それを笑うなんてひどい!
『や、悪りぃ!流石に予想外の答えというか…ぶはっ!』
また笑った!
海に沈めてやろうかしら?
ズモモモモッと私から黒い影がでてくる。
『わ、悪かったって!』
それに気づいたエースは急いで笑う事をやめた。
…しかし、
『ぷっ!』
『あー!もう!なんでそんなに笑うのよ!』
これでも恥ずかしい思いをしていったのに!
プイッと顔を背けた。
『ははっ!レティに言って気が軽くなったよ、ありがとな』
ポンとエースの温かい手が私の頭に乗せられた。
『…ん』
その日はそれ以上話す事はなかったけどいつもより少しだけ距離が近かった。
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…もう、あんな楽しい日々には戻れない。
海賊と海軍。
この立場が私たちを離れ離れにした。
現実は変えられない。
スペード海賊団船長としてグランドラインに出てきたエースは瞬く間にその名を広めた。
が、これによって海軍は気づいてしまった。
“ロジャーの血”が絶えていなかったことに。
『だが、我々と同じくそれに気づいた白ひげは、お前を次の海賊王に育て上げるべく自分の船に乗せた』
『違う!俺が親父を海賊王にするために船に乗ったんだ!』
『そう思っているのはお前だけだ。お前は白ひげに守られていたんだ』
…こんな事を考えちゃダメだってわかってる。
けど、どうしてもエースの心情を考えてしまう。
感情を押し殺さないと何をするかわからない。
『放置すれば次世代の頂点としての資質を発揮し始める。だからこそここでお前の首を取る事に意味がある。
たとえ、白ひげと全面戦争になろうともだ!』
ウォー!
海兵の声がマリンフォード全体に響く。