第11章 インペルダウン
インペルダウンでエースと話してからずっと胸の中にしこりみたいなのがあって気持ち悪い。
なんかこうもやもやっていうか…
もごもごっていうか…
「あぁー!もう!!」
こうなったらそこらにいる海兵をいじめてやる!←
どっかにいないかな?
ちょうどいい海兵は。
キョロキョロと周りを見ていると皆んないかつい顔だったり難しい顔をしていたりして絡みようがない。
むしろ怖いよ。
それにしても本当に…
「暇だ」
「それは良かったです」
「ギクッ!!」
そっと後ろを向くとニコニコした顔を貼り付けたスザクが見覚えのある大量の書類を持っていた。
そう、それは昨日ハンコックが来たことを理由にしてこっそりと昨日〆切だった書類をスザクの机の上にメッセージを添えて置いていったやつだった。
因みに、その時ちょうど本人がいなかったからスザクにとっては反論の余地もなく押し付けられた形になっていた。
「や、やぁ!スザク、今日もいい天気だね!」
「いえ、生憎昨日からここ、マリンフォードは雨が降っていますよ」
チーン
…終わった。
ははっ、きっと私の人生はここまでだよ今から私はこの血も涙もない部下によって亡き者にされてしまうんだ。
ああー、こんな事ならもっとお菓子を食べておけば良かった。
さようならみなさん。
また来世でお会いいたしましょう。
「何をバカな事を言っているんですか、心の中がだだ漏れですよ」
えっ!
もしかしてスザクってエスパー?
流石に私も引くよ⁉︎
「大将…?」
ゴゴゴゴッ!!
と、スザクの後ろに黒い影が見えた。
「ひっ!ごめん、スザク!冗談だから許して!ねっ?ねっ?」
「はぁ…、全く」
さて…
と呆れた態度から一変してニコォって笑いかけてきた。
…最近思うようになったんだけど、この時のスザクほど怖いものはないと思う。
「大将、俺が言いたい事はもちろん分かっていますよね?」
「え…いや…あっ!私ガープに呼ばれていたんだったよね!じゃあ、行ってくる!!」
「待ちなさい!」
ガシッと襟をつかんできた。
「ちょっ!く、首!!首がぁぁぁぁ!」
しまってる!
首が絞まってるよぉ〜!!
あぁ…短い人生だった。
ぐはっ…
ー完ー
「勝手に自己完結しないでくださいっ!」