第11章 インペルダウン
「様子を見るしかないだろう。とにかく、火拳のエースを本部に連れてくるときに襲われてはそれこそここまでの苦労が水の泡だ、十分にお前を警戒しておいてくれ」
白ひげか…
シャンクスに頼まれてエースの事について会いに行ったのが最後だったな。
「そう言えば、七武海は呼んでいるの?」
「ああ。黒ひげ、海峡のジンベエ以外の5名は既に本部に来ている」
流石、その辺りは抜かりないんだね…
「ま、エースを処刑する時点で戦争は決まっていたんだし避けるのは不可能か」
戦争で戦う事を承諾しセンゴクの部屋から出る。
とりあえず3日は休めるか…
今のうちに体調を整えておかないといざという時に力が出ないしな。
何しろ相手は世界最強の男白ひげ。
普段はただの飲んだくれ親父だし根はいい人だから正直戦いたくない。
「我儘も言ってられないか…」
部屋に戻る途中の廊下を歩いているとガラッと海賊女帝が出てきた。
その瞬間ピタッと私達は瞬間冷凍されたように固まった。
「…スカーレットか」
「ボア・ハンコック」
はたからみたらヒューと2人の間に風が入ってもおかしくなさそうな雰囲気が流れる。
…が
「〜〜っ!!レティ!」
ハンコックが思いっきり抱きついてきた。
「えっ!ちょっ!!うわぁ!」
バターン!と見事に後ろに倒れた。
いてて…
頭を思いっきり打った…
「いたたたたっ…。もう、いきなり抱きつかないでよ〜」
「す、すまん…。ただ、会えたのが嬉しくてな…」
ちょっとオドオドしたように私の上から離れるハンコック。
え、なんかちょっとかわいんだけど←
てゆーか、なんでハンコックここにいるんだっけ?
あ、七武海か…
「久しぶりだね、ハンコック」
「会いたかったぞ、レティ。そなたと仲良くなれたのは嬉しかったが中々会う機会がなかったからな」
そう、もちろん私達は最初っから仲が良かったわけじゃない。
たまたま海をプラプラしている時に九蛇海賊団が目の前にいた。
最初は敵同士だしどんぱちやったんだけどその後から何故か意気投合してしまって現在ではここまで仲良くなった数少ない女友達。
「そう言えば知っておるか?“麦わらのルフィ”と言う者がシャボンディ諸島で天竜人を殴った事件を」
“麦わらのルフィ”という単語に懐かしさを覚える。