第11章 インペルダウン
そこには何もないただの空間。
何かをされるわけでもなくただその時が過ぎるのを待つだけ。
エースはそこに居るのか…
「レベル6は数々の極悪の囚人達がいます」
例で言うとクロコダイルもなんだってさ。
まぁ、元七武海だしね。
ようやくエレベーターのスピードが落ちてきてピタッと止まった。
「到着いたしました、ここが最下層レベル6です」
他の階とは比べ物にならないくらい静かだ。
大物の海賊達がここまで静かだと不気味だな…
「この奥の牢です」
歩き出したマゼランの後ろについていくと周りの囚人達がザワザワし出した。
「おい、誰だ?あの女海兵」
「女ぁ!こっちに来いよ!可愛がってやるぜぇ」
あぁー!
うるさい、気持ち悪い。
不意にピタッとマゼランが止まった。
「ここです」
マゼランに通されるとそこには腕も壁につながれたエースがいた。
「エース…」
「…スカーレットか」
私の名前が聞こえたのだろう、1人の囚人が再び騒ぎ出す。
「スカーレットって…もしかして、海軍大将のスカーレットか?」
「まじかよ!まさか、こんなガキだったなんてな!」
「誰だ?」
「お前、知らねぇのかよ!あいつは…」
それぞれが個々の反応をする。
なるほど、私が大将になるより前に入った奴は私のことを知らないのか…
それにしても、ゲラゲラと下品な笑い方しかできないのかな。
殴っていい?
私が能力を発動させようとした時だった
「ヒドラ!」
マゼランは各牢屋に龍のような形をした毒の塊を突っ込んだ。
その度に聞こえてくる囚人達の叫び声。
えげつな…
ドクドクの実か…
これをコピーしたら使えるかな?
しばらくすると先ほどの騒ぎが嘘のように静かになった。
「ふぅ…。すみませんが2人にしてくれますか?ゆっくり話したいこともあるので」
囚人達は毒で収めたから良いと判断したんだろう私以外は全員声が聞こえないくらいの距離まで離れてくれた。
「…久しぶりではないね」
ガラッと同じ牢屋から聞こえてくる音でそこにもう1人囚人がいることに気づいた。
「驚いた…、そうだね、あんたも七武海だからここにいてもおかしくないか“海峡のジンベエ”」
「なぜお主がこんなところにおるのじゃ」