第11章 インペルダウン
「あ…、大将のスカーレットです。早速なのですが、火拳のエースの場所へ案内してもらっても?」
あー、敬語使うの慣れてないんだよね…
センゴクやおじいちゃん達(五老星)にも敬語なんて使わないからね〜。
「はい、こちらのエレベーターへどうぞ」
そこには鉄格子で囲われてまるで牢屋をイメージさせるような造りになっていた。
「…随分厳重なんだね」
もう、敬語いいや←
中に入ってみると本当に自分が捕まった気分になる。
あんまりいい気分じゃないね。
こんな薄暗さには覚えがあるよ…
「大将、大丈夫ですか?」
コソッとスザクが聞いてくる。
おそらく私の過去を知っているからだろうね。
「まぁ、なんとかね」
私だってそれなりに成長したしパニックを起こすようなことはしないよ。
ガラガラと音をたてながら降下していく。
降りている途中で囚人達のうめき声が聞こえてくる。
「つっ…」
駄目だ。
思い出すな。
少しでも心を落ち着かせるため手を強く握る。
「あっ」
誰にもわからないようにコッソリとスザクが手をつないできた。
ー大丈夫ー
そう思うことができて安心する。
「ありがとう…」
スザクに聞こえるか聞こえないかの音量で伝えた。
するとギュッと手を握る力が強くなった。
どうやら聞こえていたようだ。
降り始めて幾分かの時間が経ったが未だに着きそうもない。
「どこまで降りるの?」
コソッとズザクに尋ねる。
「俺が知るわけないでしょう」
私とスザクがコソコソしているのに気づいたのか絶妙なタイミングで話しかけてくる。
「火拳のエースは最下層、レベル6に居ます」
「レベル6?」
インペルダウンのことはほとんど知らないからどういう仕組みで動いているのか全くわからない。
「囚人達にも格があります。その格を判断してレベル1からレベル6までに振り分けられます」
レベル1紅蓮地獄 針々草で構成されたフロア
レベル2猛獣地獄 怪物達が放し飼いされているフロア
レベル3飢餓地獄 水も食料も殆ど与えられないフロア
レベル4焦熱地獄 鉄釜の中に全てが入っているフロア
レベル5極寒地獄 雪と氷に覆われたフロア
次々と説明されていって頭がついていかない…
「そして、火拳のエースが入っているレベル6無限地獄」