第11章 インペルダウン
ガチャッ
一方的になってしまったけど私は用件を伝え終えるとすぐに切った。
今はあんまり誰かと話す気なんてない。
「はぁ…」
自分で言うのもなんだがここまで深刻になったことが今までであっただろうか?
いや、きっとない。
「なんでこんなに気になるんだろう…」
なんでエースに会いに行こうってすぐに思ったんだろう。
エースに会いに行ったところで何を話したらいいのかわからないのに…。
今までにないくらいの複雑な気持ちが渦巻いていた。
「エース…」
その声は虚しくも暗闇に取り込まれていった。
エースのことを知って2日後、私たちは無事にインペルダウンに着いた。
「お待ちしておりました、スカーレット大将。
署長室へご案内いたします。どうぞこちらへ」
案内人の女の人に着いて行く。
「ねぇ、スザク。私はエースに会ってどうするんだろうね」
「なんですかいきなり。僕がそんなこと知っているわけがないでしょう」
ですよねぇ〜
うん。分かっていたよ、その答えが返ってくるって…
けど何でだろう?今だけはその言葉が胸に響くよ。
署長室に到着して中に通されたのはいいが、署長席にファラオがいた…。
え…だれ?
これがマゼラン?
「は、初めまして!スカーレット大将!時期署長になりますハンニバルでっしゅ!」
…うん。エジプトに帰れ。
そして永遠に眠っていろ。
「副署長、そこは署長のお席です。」
「ふん、いずれ私の席となる」
すると隣の部屋から大柄男が部屋に入ってきた。
姿形はまるで悪魔のようだ。
「何をやっとるか⁉︎はぁ〜〜…」
「くそっ!また毒を吐きやがった…ガクッ」
私はつい先日の電伝虫を通して行われていたコントはこれだったのか…とすぐに理解した。
因みに、隣にいたスザクは目が点になっていた。
まぁ、そりゃそうだよね。
「あなたが署長のマゼラン?」
「はい。ようこそいらっしゃいました、スカーレット大将。私がここ、インペルダウン署長のマゼランと申します」
これがマゼラン。
ドクドクの実の能力者か、確かに野蛮な囚人どもをまとめるにはちょうどいい人材かな。
それにしても大きいな…
身長どのくらいあるんだろう?
「大将!」
小声でスザクが肘でわたしを突っついてきた。