第10章 つかの間の休息
スタスタと市場をかけていくスザクに少し戸惑う。
てゆーか、歩くのはやいな…
「どこまで行くの?」
「この先に最安値でお菓子の材料が売っているお店があるのでそこに行きます」
へぇ、よく知ってるな。
そのまま歩き続けて市場から少し外れたところにお店が1つあった。
「今日は何を食べたいんですか?」
「…チョコケーキ」
「わかりました。じゃあ、小麦粉やベーキングパウダー等を買いましょう」
「あそこに全部売ってるの?」
「はい、調味料だけを売っているお店もあるんですよ」
…なんか、スザクが主夫に見えてきたは私だけ?
そんなわけないよね!
スザクはお店の中に入って行ってしまった。
ちょ、置いていくなんて酷くない?
スザクに続いて入っていくと中は予想していたよりも広くて建物の見た目よりも中は綺麗だった。←失礼
「いらっしゃい、めずらしいね海軍の人かい?」
陽気で少しふくよかな女性が笑顔で出向いてくれた。
「はい。えーっと、チョコレートケーキを作りたいんですが…」
「あぁ、ならこの辺の小麦粉がお勧めだよ」
「へぇ、やっぱり安いですね。あ、これは…」
…もう一度言おう。
やっぱり、スザクって世間で噂されてる主夫なのかな?
私よりもいろいろ知ってるんだけど…
テキパキと必要なものを買っていくスザクなのだがその半分以上どうやって使うのか分からなかった…
「さて、じゃあ帰りましょう。必要なものはすべて買えました」
大量の荷物を持っている。
いったいどれだけ買ったんだろう…
「…どれか持つよ」
正直私が作るために買ったようなものなんだから何も持たないっていうのはさすがに悪い。
「では、この2つをお願いします」
スザクは比較的軽そうな袋2つを渡してくれた。
二人並んで船に戻りそのまま調理場に入っていく。
「では、これをつけてください」
渡されたのは黄色のエプロン…
エプロンなんて初めてつけるよ。
「さ、始めますよ。まずは手を洗ってください」
「いや、そのくらいはわかってるから」
どんだけできないと思われているんだろう。
流石に手を洗うことはわかってるよ。
…なんか、悲しくなってきた。