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ONE PIECE 〜only story〜

第10章 つかの間の休息



「うわぁぁぁあ!ごめん〜!」

パニックになって船員の肩を掴みガクガクと揺らす。

「おい、やめろ。安静にさせておけ」

これ以上患者を増やされても面倒だ。

「それにしても、船長、何であの大将は俺たちのことを見逃してくれたんでしょうね?」

以前聞いた気に入った海賊を逃がす大将の噂をふと思いした。

「ふっ…さぁな。とにかく今は女王様の機嫌が良かった事に感謝をするんだな」

もし、機嫌が悪かったなら俺たちはたかがケーキ1つで交渉どころか一瞬で全滅させられていたかもしれない。

相手は世界最高権力の1人。

こっちが気を抜いていると一瞬でやられて終わり。

それに、あのスザクとか言う中将、あいつも油断ならねぇ。

自分の攻撃がことごとく避けられたのが悔しかった。

いずれまたどこかで会う事になる巨大な敵との力の差を感じたローはまだまだ強くなる事を決意した。







「よろしかったのですか?相手はルーキーですよ?」

「いいんじゃない?まさか本当にアイスミルクレープを持ってるなんて思わなかったけどね」

運のいい奴らだよ本当に…

早速箱を開けて中身を食べ始める。

「んぅ〜!!冷たいけど美味しい〜!!確かにこれは並んで食べるだけの価値がある!」

あの1時間は無駄なんかじゃなかった。

「はぁ…じゃあ聞きますがもし彼らがそれを持っていなかったとしたら貴方はどうしますか?」

「どうしたって、そりゃもちろん…」

ー捕まえていたよー

珍しく本気の目に思わずゾッと寒気を覚える。

「だって、医者嫌いだし…」

「…?それは、単に貴方が病院嫌いって言うだけなんじゃないのですか?」

…プイッ

僅かの間があってから大将はそっぽ向いてしまった。

全く、本当にこの人が捕まえるなり、見逃すなりするのにまともな理由があった事があっただろうか?

答えは否だ。

「むふぅー!おいしい〜!!」

もぐもぐと口を動かして幸せそうな顔をする大将の顔は好きだ。
…好きなのだが、こんなものばっかり買って正直経費なんてあるようでない。

そう言えば、大将ってお菓子を食べるのは大好きだけれど料理をしているのを見た事ないような…

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