第10章 つかの間の休息
「いいなぁ〜、あのクマ欲しい…」
あの見るだけでわかるもふもふ感…
絶対に気持ちい、抱きつきたい…
そんな私を見てスザクとローは
「「やらねぇよ/飼いませんよ」」
と2人揃って否定されてしまった…
悲しい…
「キャプテン、持ってきたよ!」
でも…でも…!!!
「やっぱり可愛い〜〜!!!」
私は思いっきりクマに抱きついた。
「うわぁ!なんだ⁉︎」
はうっ!これは予想以上の気持ち良さ!
もうこのまま離れたくなくなってしまうほどのもふもふ感。
やっぱり欲しい…
「ねぇ、貴方かいぐ…「「だから、やらねぇよ/飼いませんよ」」ケチ…」
再び2人に否定されてしまった。
ちょっとぐらいいいじゃん。
「ほら、これがお前の言ってたやつだ」
私が抱きついた時にローが持っててくれらしい。
「わぁぁぁぁ!!ありがと〜!!」
念願のアイスミルクレープが手に入った。
予想していたよりも重量があって思わずニヤけそうになるがそこは敵の面前、必死で我慢した。
しかし、本人は隠していたつもりでも周りにとってはバレバレだった事をスカーレットは知らない。
「さて、じゃあ約束通り君達には手を出さないよ。
帰るよ、スザク」
クルッと踵を返して船を降りスタスタと先を進んでいく。
スザクも後を追いかけようとして何かを思い出したようにピタッと止まりこちらを振り返った。
「運が良かったですね。もしまた次にあった時もその持ち前の強運で逃げれたらいいですね」
ニッコリと黒い笑みを浮かべて去っていった。
一気に緊張感が溶けてローは思わず床に座り込んでしまった。
「あれが大将スカーレットか…」
正直こんなところで会う事になるなんてゆめにも思っていなかった。
本音を言うと会いたいと思う人物でもない。
今回は本当に運が良かったと思う反面次に会った時どうするかを考えて置こうと思った。
「キャプテン、大丈夫?」
ベポは気を失っている船員たちを起こしながらこちらを心配してくる。
「あぁ…。今回は本当に運が良かった、よくやったぞベポ」
滅多に褒めることのないローが褒めてくれたのが嬉しかったのかベポは起きかけていた船員を床に打ち付けた。
船員は再び気を失った。