第10章 つかの間の休息
あの流星の日から2日がたった。
私たちは無事に目的の冬島に着いた。
そこは極寒の寒さと言うわけでもないがそれでも防寒を着ていなければ直ぐに凍えてしまうほどのものだった。
「おぉ〜〜、寒い寒い。さすが冬島だねぇ」
こしこしと服を擦りながら辺り一面の見事な銀世界を見ていた。
何か美味しいものでもあったら良いんだけどなぁ。
無類の甘党であるスカーレットは寒さよりもお菓子だった。
流石である。
「とりあえず、船で留守番する人以外は自由時間!
たった1日しか入れないから存分に楽しんでね!じゃあ、解散!!」
言いたいことだけ言ってスカーレットは真っ先に町のある方向へ向かう。
「まったく…あの人は…」
こういうときだけに発揮される無駄な行動力に怒りを通り越して関心を覚えてしまうスザクだった。
「…ん?」
ふと別の方向から奇妙な気配らしきものを感じ取った。
「どうしました?中将」
「いや、少しここを外す」
そう言い、スザクは海岸を歩いて行ってしまった。
「うーん、何があるかな?」
町に着いたスカーレットは何か気になるお菓子がないか探していた。
すると、ふと目に入った看板をみる。
“数量限定!アイスミルクレープ!”
おおっ!
なんて美味しそうな!そしてなんて素晴らしい!!
まさに私のためだけにあるようなお菓子!
え?冬島にアイス?なんて思う人もいるかもしれないんだけど、冬に食べるアイスもまた夏とは違う顔を見せてすっごく美味しいんだよ!!
スザク辺りが知ったら思わす頭を抱えてこういうだろう。
「なぜわざわざ…」と。
しかし、食べたいものは食べる。
これがスカーレットのポリシーだ。
早速スカーレットは長蛇の列となっているお店の最後尾に並んだのだった。
「ううっ…寒い寒い」
なかなか進まないと思っていたらどうやらみんなこのアイスミルクレープ食べたさに開店前から並んでいるとわかったのだった。
そこまでして並んで食べるアイスミルクレープはさぞ美味しいんだろう。
スカーレットは期待に胸を膨らませてただ、その食べれる瞬間を心待ちにして寒さの中耐えていた。