第9章 忌まわしき日々
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「…あれ?」
目が覚めたらそこは私の部屋だった。
そう言えば、書類の整理をしている間に眠気に襲われたんだっけ??
「あんまり、いい夢ではなかったかな…」
最近よく任務やらなんやらで久しぶりに海軍らしい事をしていたせいかな?
ふと、部屋の中で気配を感じて視線を向けるとそこにはスザクが立っていた。
心配そうな顔をして…
「少し魘されていたようですが、大丈夫でしたか?」
「うん。もう大丈夫」
まだ心臓がドキドキと脈を打っててうるさいけどね。
「あんまり、夢見が良くなかったのですか?」
「まぁ、確かに良くなかったかな…」
少し息を整えてから
「…過去の夢を見てたの。実験されてからスザクが側近になるまでのね」
そう言えばあんまりいい顔をしないスザク。
まぁ、私の過去を知っている1人だからね。
「スザクが本気でキレたところもバッチリ見たよ」
「…それは忘れてください」
スザク曰くあれは黒歴史だそう。
「全く…、そういうところだけは覚えているんですから」
「いやいや、あのスザクは忘れようったって忘れられないよ。
あの時の言葉も嬉しかったしね」
今でも思う、あの時の言葉がなかったら今でも私は誰も側近を付けず1人でやっているんじゃないかって。
「ありがとう、スザク」
ポソリと呟いた言葉がスザクに聞こえていたかは分からないが、それでも今伝えたかった、
「気分転換に何か飲みますか?あ、ココアの方がいいですか?」
「…ううん。今日はスザクの淹れてくれたピーチティーがいいな」
初めて私に淹れてくれた思い出のピーチティー。
スザクも同じ事を思ってくれたのか少しはにかんで
「じゃあ、すぐに淹れてお持ちいたしますね」
と言ってくれた。
「どうせなら部屋じゃなくて外で飲もうかな?甲板まで持ってきてくれる?」
「分かりました。甘さ控えめのクッキーも持っていきますね」
「うん。よろしくね」
私は先に甲板に出た。
さっきまでは太陽が高くにあって明るかったのに今ではその姿を見せず暗闇を作り出している。
どのくらい寝ていたんだろう?
「ううっ!少し寒いかな?」
冬島に近づいているんだから寒くなってもらわなくちゃ困るんだけどね。