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ONE PIECE 〜only story〜

第9章 忌まわしき日々



『スカーレットは…』

そこから聞いた内容は衝撃的だった。

じゃあ…じゃあ、スカーレット大佐は生きるために全てを犠牲にしてきたというのか?

時間も友達も、みんな…

『どうだ、スザク。これを聞いてもなお、スカーレットの側近となるのを望むか?』

『勿論です。むしろ、スカーレット大佐の過去を聞いて余計に側近となることを望みます』

迷いはない。
これが己の決めた道なのだから、ら

『そうか…。お前ならスカーレットとうまくやっていけるかもしれんな。頑張ってくれ』

『はい、ありがとうございます。では、失礼いたします』





『うーん、どれもギリギリアウトかな?』

冷蔵庫の中に入っているお菓子を見てみるがそのほとんどが期限を過ぎていて食べれなくなっていた。

『はぁ…、新しいのを買いに行くしかないか』

…本当にあいつの給料から差し引こっかな?

なんて考えながら私は街へ行くため長い廊下を歩く。

すると、周りの海兵は私を見るとヒソヒソと会話をしながら度々こちらを見てきた。

まぁ、こんなことはいつものことなのでもう慣れっこだ。

大丈夫。私は何を言われても平気。

今までだってそうやってきたんだから。

私は自分の思う道を進むだけ。

『やっぱり“化け物”だよな…』

そんな声が耳に届いた。

大丈夫…大丈夫…

心の中で何回も唱え落ち着かせる。

するとさっきまでヒソヒソとうるさかった周りが急にシン…と静かになった。

不思議に思い、ふと後ろを向くとそこにはスザクが立っていた。

いつの間にいたんだろう?
全然気づかなかったな…

なんて呑気なことを思っていた。

『コソコソと陰で言って、お前達に大佐の何が分かる?何もしらねぇ奴が大佐に“化け物”とか言うんじゃねぇ!』

意外というより驚いた。
たった数日ではあったけれどもスザクは基本怒っていても敬語で穏やかだった。

少なくとも私の中ではそう記憶されていたはずだった。

…じゃあ、この男は誰?と思わず言いたくなるぐらいの変貌だった。

『お前達よりも自分に正直に生きる大佐の方がよっぽど人間らしいと思うぞ』

低く、けれども確実に海兵達に届ける。

…人間らしいなんて初めて言われた。

だって、今まではずうっと“化け物”って言われ続けていたんだから。

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