第9章 忌まわしき日々
その後スカーレットの実力は買われ、数年後わずか14歳という若さで“大佐”という地位につくこととなった。
その出世ぶりに同期たちは“出世目当て”“実験台の化け物”などスカーレットの過去のことも言ってくるようになっていたのだった。
そんなある日、元帥であるセンゴクに呼び出された。
『何か用?センゴク』
スカーレットはここ数年で心を開いた数人のものには柔らかく接していたがそれ以外には冷たく無表情という人との付き合いに差が出ていたのだった。
その為、センゴクはスカーレットに側近を付けさすことに決め何人か候補していたものの…
『スカーレット、また側近をクビにしたそうじゃないか』
ここ数ヶ月“お菓子”という名の甘い物に見事にはまってしまったスカーレットはガープや青キジ同様自由人と化しており、試しとしていた側近候補を直ぐにクビにしてしまったのだった。
『だって…別に側近なんていらないよ。
どうせ全員私の事を恐れているんだし無理にする事はないと思うけどなぁ〜』
スカーレットはポケットの中に入っていた棒付きキャンディを口の中に入れてコロコロと転がしている。
これが普通の海兵なら即刻センゴクの雷が落ちているのだろうが、このスカーレットは慣れすぎてもはや恐れなくなってしまった。
『安心せい、お前の側近をやりたいと自ら志願してくれた奴がいる。
おい、入ってきていいぞ』
センゴクに呼ばれ入ってきたのは若いくまさに好青年という言葉がぴったりと当てはまる人物だった。
『初めましてスカーレット大佐、中佐のスザクです。
本日付で大佐の側近候補となりました。
よろしくお願いします』
『い、や、だ、っ、!』
スカーレットはセンゴクの部屋から逃走した。
『はぁ、すまんなスザク。
しかし、本当に側近候補となってくれるのか?』
『はい。自分は全力でやらせていただく所存です』
『そうか…。スカーレットを頼んだぞ』
あー、もう嫌だ。
せっかく前の奴クビにしたのに直ぐに次がやってくるなんて聞いてないんだけど。
あのアフロ今度燃やしてやろうかしら?
こうなったら、何が何でも自分から辞めたいって言わせてやる!