第9章 忌まわしき日々
『よし、ついてこい』
案内された部屋はコンクリートに覆われていて到底手では届かないところにひとつの窓があるだけ。
あとは簡易ベッドなどの生活するには困らない必要最低限のものしか置いていなかった。
『明日からこの施設でお前には様々なことを教えてやる。決して外には出るなこれがここのルールだ。
ま、1年生きていたらいい事あるかもな』
男は簡単に説明だけして直ぐに出て行った。
翌日から始まる地獄の日々は今はまだ知らなかった。
『おら!起きろ!!!』
バシャッ!!と冷たい氷水をかけられて起きた。
『ほら、こいつが朝飯だ。とっとと食って右の突き当たりにある部屋に行け』
渡された朝ごはんはパン1個と少量の冷えたスープだった。
それを大事に食べる。
しかし、量が少なく直ぐに食べ終わってしまい言われた通り右の突き当たりにある部屋に向かった。
ここはおかしい、早く逃げよう!
本能がそう言ってる。
けど私は知っている。
ここでは大人に従っていないと直ぐに亡き者にされてしまうという事を。
目的の部屋に辿り着いた。
『よく来たなクソガキ』
重たい扉を開けるとそこには昨日の小太りの男と、私より少し大きい子供が10人ほどいた。
『いいか、クソガキ。ここにいる連中と戦えもちろん息の根を止めるまでだ』
男の言葉に耳を疑う。
『…え?』
『口答えはするな1回で全て理解しろ。いいか、最後の1人になるまで戦いは止めるなよ』
男が何を言ってるのか全くわからない。
誰かと戦うなんてやった事ないのだから。
『ほら、始めろよ。』
『うっ…うわぁぁぁあ!!』
1人の男の子が涙を流しながら殴りかかってくる。
それに続いて全員殴り合いを始めた。
誰かが誰かを殴るたびにむせかえる血の匂い。
私は攻撃を避けるのに精一杯だった。
『おい、新入り!避けてるだけじゃ生き残れねぇぞ!戦え!!』
ザクッと何かけ得体の知らないもので切られた。
『つっ…痛っ…!』
切られた箇所から出血する。
傷はそこまで浅くないのが幸いだった。
『ぎゃはははっ!俺はカゼカゼの実の能力者なんだ。お前なんか簡単に切り刻む事ができるという事を忘れるな!』
男はもう1度能力を発動させる。