第2章 始まりの日
「あー、にしてもこの書類重たいな〜」
誰か持ってくれないかな〜とさりげなくスザクに言ってみる。
「……。」
無言の沈黙が痛い。
「はぁ、仕方ないですね」
ヒョイっと私の手の中にあった書類がスザクの手の中へ移動した。
「ほら、さっきから我慢していたいちご大福でも食べたらどうですか?」
まさかスザクが持ってくらるなんて…
これが世に言う
「ツンデレ?」
ボソッと呟いたつもりだったが聞こえていたのか足をゲシッ!!と蹴られた。
痛い…(涙)
あっという間に今度はガープの部屋の前に着いた。
コンコンコン
「失礼します。ガープ中将、スカーレット大将がお見えになりました。」
「おお!ご苦労だったなスザク!」
なるほど、スザクがセンゴクの部屋の前にいたのはガープの差し金か…
「お久しぶりです」
「待っとったぞスカーレット。実はこの間新作クッキーが届いたんだが食うか?」
新作クッキー!!
「いる!!」
「ただし!」
ああっ!クッキーが目の前にあるのに!
「交換条件じゃ、これをやる代わりにある海兵を見てやってほしい」
ガープが頼んでくるなんて面倒なことしかない!
逃げるが勝ち!と思いクルッと体をドアへ向けるとスザクがドアの前に立っていて退路を断たれた…
「因みに、その条件を達成できた時には好きな菓子を買ってやるぞい」
好きなお菓子を買ってくれる…?
私の脳内の天秤はガープの条件とお菓子で揺れていたが今の一言で完全にお菓子の方へと傾いた。
「ふっ…仕方ないな〜。で、見てほしい海兵って?」
「あぁ、おーい、入ってきていいぞ〜」
その掛け声をきっかけにピンク頭のおどおどしたのが入ってきた。