第8章 エニエス・ロビー
「麦わら!」
私は思わず呼び止め、麦わらの方を向く。
「んあ?何だよ!俺急いでんのに…!」
少しの時間ももどかしいと言うように足踏みをしながら止まる。
「私の名はスカーレット、海軍本部大将。もし、このエニエス・ロビーから逃げ切った場合これから先私のように大将や中将が出てくるだろう!それでも、仲間とともに前へ進め!私は、お前たちがこのまで来るのを待っている!」
私が大将だと明かすと、麦わらの目はこれでもかというほど開いていたが、私のこと日の意味がわかったのかすぐに笑顔になった。
「おう!ありがとな、スカーレット!!」
今度こそ麦わらは走り去った。
「…で、君はいつまで空気でいるつもり?」
一緒に降りてきたのに、いつの間にか空気になっていたスザクは物陰から出てきた。
「宜しかったのですか?正体をバラして」
「ま、いつか分かることだからね」
まだ、何か言いたそうな顔をするスザク。
「何?」
「…何故、逃したのですか?よりにもよって海賊の手助けをするなど…」
なるほど、彼は近くにいなかったから分からなかったようだ。
「目がね、真っ直ぐだったんだ。1回も私から視線を外さなかった。
それが見逃した動機だよ。」
じっ…と私を見てくるスザク。
「はぁ…、貴方らしいですね」
何処か諦めたような顔をする。
「へへっ、それが私だからね。さて、遠くが見れるように高いところに行くよ!」
私たちは近くにあったちょうどいい高さの建物に移動した。
「おっ!麦わら達見っけ!」
「何処ですか?」
「ほら、司法の塔の目の前」
指で指すとスザクも分かったようだ。
「何か言ってますね」
「うーん、風向きが逆だから上手く聞き取れないっ!」
すると変な仮面をつけた男があるところを狙う。
「…何を狙ってるの?」
「あの角度から行くと…まさかっ!!」
変人仮面(命名:スカーレット)は司法の塔に掲げてあった政府の旗を撃ち抜いた。
その瞬間、麦わらの一味は世界政府から目をつけられるようになる。