第4章 白ひげ
「僕は、僕の夢のために!」
先程よりも明らかに動きが違う。
スピードが速くなっていたが本人の意識があまりあるようには見られない。
ある意味暴走状態になっていた。
「うん。君は強いよ、コビー。けどね…」
“神風”
大きなうねりと共に風が巻き起こり、コビーは後ろへ吹き飛ばされる。
「けど、まだまだだね。大丈夫、君はこれからもっと強くなるよ」
吹き飛ばされて気を失ったのか、コビーはいっこうに動かない。
けど、私は言葉を止めようとはしなかった。
「いつか…いつか必ず私と対等の立場に来なさい。私はそれまでずっと大将でい続ける」
例え、気を失っていても少しでいいなんとなく頭が覚えて今後の目標になってくれるなら…。
「けど、あんまり長く待たせないでね。私はそんなに優しい女じゃないから」
私は、そばで見ていたスザクにコビーを頼み、目が覚めた時部屋に来るように言っといてと伝言を頼んだ。
汗を流し雨によって冷たくなった体を温めた。
「ふう…。なんとなく疲れた…」
私は椅子に深く腰掛けココアを飲む。
「そろそろ潮時かな…」
ポツリと呟かれたその一言はスカーレット以外誰も知らない。