第4章 白ひげ
「うーん。重いっ!」
風に揺れる度になかのお酒がちゃぷちゃぷして飛びにくい!
“もう少しで着くよ”
“この島を越えた先にいるよ!”
あー、疲れたー。
島を越えて少しすると風たちの行っていた通り白い鯨の船が見えた。
世界最強の男“白ひげ”が乗っているモビーディック号だ。
「あー、やっとか〜。風さんありがとう」
“いいよ!”
“また呼んでね!”
私はモビーに向かって降下する。
シャンクスがやったように覇王色で少々威嚇しながら。
甲板に足をつけるとバタバタと船員たちが倒れていく。
「おいおい、何事だよい?」
中から1番隊のマルコが出てくる。
「おいおい、また厄介なのが来たねい」
「厄介だなんてひどいなー」
「覇王色を剥き出しにやってきたのが大将なんだ。気をぬくとこっちがやられちまうんでね」
おお…
さすが1番隊隊長、殺気が…
「戦闘の意思はないよ。ほら、ちゃんと白ひげと話すためにお酒を持ってきた」
と、お酒をちゃぷんと見せる。
「なんだ、そういうことかよい。じゃあ、親父のところへ案内するよい」
スタスタと歩いていくマルコの後を追う。
「スカーレットじゃねぇか、グラララ。何の用だ?」
相変わらずガブガブお酒を飲んでる。
「今日はある話があってきました。お酒持ってきたんで、どうぞ」
「グララ…。ついこの間も赤髪が酒を持ってやってきた。お前と同じで俺に話があるとな」
疑いの目で私を見てくる白ひげには迫力がある。
「駄目元で頼みます。エースにティーチを追わすのを貴方から言ってやめさせてください」
「無理だ」
やっぱりか…。
白ひげが1度言ったことを変えるはずがない。
ましてや、シャンクスが言ってもダメだったんだから…。
「まぁ、そうでしょうね。けど、少し頭の隅に置いておいて下さい。では、失礼します」
クルッと背を向けて甲板を出る。
「待てよい」
呼び止められ、後ろを振り向くとマルコが立っていた。