第13章 終局
「ス、スザクさん?」
流石にこんな顔のスザク見たことないよっ⁉
何かしちゃったっけ⁉
必死に思い出そうとしても昨日の覗きの事件ぐらいしか私心当たりがないんだけど!
でも、それはスザクたちのほうが悪いし、何より出発するときは普通だったよね。
「だっはっはっ!どうせスザクのことだからスカーレットとエースがくっついたのが許せないんだろう。かわいいやつめ!」
すでに酔っぱらっているシャンクスはほおっておこう。
てゆーか今そのテンションでスザクに近寄らない方がいいと思うんだけど…
「かまいたち!」
「どわぁ~~!!」
あぁ、言わんこっちゃない。
ボロボロになったシャンクスはベンたちに回収された。
「あー、宴の準備は出来てるしほどほどにしたらこっちにこいよ」
そういうと奥に行ってしまった。
てゆうか、えー。
このまま放置っすか?ほどほどにって?
頭の中がプチパニックになっているとスザクはすたっすたとこっちに近づいてくる。
ひぃぃぃっ!
何⁉何されるのっ⁉
ぎゅっと目をつむっているとスザクは私を通り過ぎてしまった。
…あれ?
後ろを向くとエースとスザクが向かい合っていた。
…なぜ?
「な、なんだよ」
流石のエースもスザクの気迫に押されている。
「両想いに本当は納得していないですけど、まぁいいです。ただし、もしレティを悲しませることがあったら容赦なく奪いますからね」
ポカンとしていたエースは意味をしばらくできなかったみたいだがすぐに
「大丈夫だ。スカーレットを悲しませることは絶対にしねぇ!」
その言葉を聞くと険しかったスザクのかおが一瞬でもとに戻る。
「そうですか、ならいいです」
スザクはそのままみんながいる方へ歩いて行ってしまった。
「えっと…とりあえず認めてくれたのかな?」
「ああ」
こうして二人っきりになるとちょっと緊張。
「レティ」
「ふぇっ⁉」
いきなりあだ名で呼ばれると戸惑ってしまった。
「スザクがそう呼んで俺がスカーレットだったらスザクのほうが距離が近いみたいだろう。だから、これから俺もレティって呼ぶ」
自分で言ってみて恥ずかしかったんだろう顔が真っ赤になっていく。
きっと私の顔も真っ赤になっているんだろうけど…