第13章 終局
いきなり言われると恥ずかしいし、スザクたちに言われているより特別な感じがしてなんだか嬉しい。
それに、これって世間一般で言われる嫉妬ってやつだよね?
なかなか私が反応しないので真っ赤だったエースの顔はだんだん青くなっていく。
あ、まずい。
変な方向に考えているかも。
「い、いいよ。エースもレティって呼んでも」
うわぁ~っ!
これ、意外と恥ずかしいんだけどっ⁉
うう~っ、まさに穴があったら入りたい状態っ!
「ありがとな、レティ」
ふわっとまた抱きしめられた。
これはこれで安心するからいいな。
「さて、そろそろあいつらのところへ行くか。じゃなきゃうるさそうだしな」
「そうだね」
もう少し二人でいたかったんだけどな。
「ねぇ、エース」
「あ?」
こっちに振り向いたエースの顔が一瞬近くなって唇に柔らかい感触があった。
放すとエースは固まっていた。
「さ、先に行くよっ!」
自分からやってて恥ずかしいっ!
「お、来たか。エースはどうしたんだよい」
「えっと、もうすぐ来るんじゃないかな?」
現在進行形で固まってるなんて言えない。
間にかを察してくれたマルコはそれ以上何も聞いてこなかった。
「レティ」
「うわぁ!!」
びっくりした。
もう復活したエースが後ろに立っていた。
するとガシッとつかんできたと思えば再び顔が近かった。
何をされたのか一瞬でわかる。
「な…な、なっ!」
「さっきの仕返しだ」
いたずらが成功した子供のような笑顔を浮かべた。
誰かに見られていたらどうすんの⁉
周りを確認してみると誰一人気が付いた人はいないようで安心した。
「誰かに見られたらどうするの…」
ただでさえ恥ずかしいのに見られたらもっと恥ずかしいじゃん。
「大丈夫だってちゃんと周りは確認したから」
そういう問題なのかな?
「レティ、これからはずっと一緒に居ような」
真っすぐなエースの目が好きだ。
私だけを見てくれる。
「勿論、エースが何を言おうと手放す気はないからね」
「俺もだ!」
あぁ、やっぱりあの時エースを助けれてよかった。
苦しいことがたくさんあったけどこれから先何があってもきっと乗り越えていける。
これから歩んでいく未来に胸を膨らませて私たちは仲間たちがいる方へ戻っていった。
~FIN~