第13章 終局
「島が見えたぞ~!」
その言葉をどれほど待ちわびていただろう。
シャンクスの船に乗って約一週間。
長いようであっという間の旅路だった。
「エース…」
やっと、やっと会える。
あの戦争が終わってからもエースのことしか頭になかった。
だんだん島が近づいてくるにつれて緊張してくる。
岸には見覚えのある船があった。
モビーディック号だ。
「ん?」
じっとある一点を見ると誰かがいた。
そこには一番隊のマルコがいた。
「…マルコ、どうして」
「ああ、俺が連絡を入れといたんだ。もうすぐ着くってな」
シャンクスにしては気が利くなって思ったけどあえてそこは何も言わなかった。
そして、やっと島に着いた。
「久しぶりだよい、スカーレット、スザク」
「マルコ」
「お久しぶりです」
あの日から時間は立っているといってもたかがしれていてまだマルコにも包帯が所々巻いてあった。
「もう大丈夫なの?」
「ああ、だいぶマシになってるよい。それよりも奥へ行こう。みんなお前たちを待ってるよい」
そう言われ私たちはマルコについていく。
奥には白ひげ海賊団がたくさんいた。
そこにはもちろん横になっているエースの姿も。
「…エース」
久しぶりに見たその姿はまだまだ痛々しかった。
「医者が言ってた。スカーレットが早期で傷だけでもふさいでくれてなかったらエースは今頃助かってなかったって」
エースの頬をやさしく撫でる。
いつものふっくらさがなく痩せこけていた。
「これでも最初よりはだいぶマシになったんだ。今は寝ているが最近は歩けるほど回復しているよい」
「そっか…」
その言葉を聞けて安心したのか私の目からは涙があふれていた。
「あ、あれ?なんで?うれしいはずなのに涙が止まらない」
何度も止めようと思ってもなかなか止まってくれずむしろどんどんあふれてくる。
そのせいでエースの顔も私の涙で濡れていった。
「無事でよかった…」
みんなの前だからとか今は気にしない。
エースが無事だった。
分かってていても実際に見ないと自信はなくて。
今回は本当に安心した。
「…んぁ」
ボロボロと涙をエースの顔に落としていたせいかエースが目を覚ました。
数秒間の間お互い沈黙しつつ見つめあった。