第13章 終局
そして、シャンクスが待ちに待った宴の時間。
みんなお大量に飲み食いしながらガハガハ笑って時には歌、時には踊りなどまさにお祭り騒ぎだった。
もちろんこんな宴に参加したことのないスザクと私は茫然とするしかなく二人隅に追いやられていた。
「よう、お二人さん」
私たちに気をきかせてベンがお酒と食べ物を持ってきてくれた。
「楽しんでるか?」
「楽しんでいるというよりも状況についていけない」
「俺たちにとっては初めての宴ですからね」
スザクも苦笑い。
ベンも私たちが慣れていないことは分かっていてんだろう。
「まぁ、どうせなら楽しんだほうがいいだろう。ほら、飲め」
そういうと、ベンはどんどんお酒を注いでいく。
ありがたいけど、もう少しゆっくり飲ませてほしいな。
スザクはお酒は強いほうなのでベンと同じようなペースで飲んでいる。
「おーい!スカーレット、こっちにこいよ!」
酔っ払いシャンクスが私を呼んでいる。
けど、私は知っている。
酔っているシャンクスほどめんどくさいものはないと。
「いやよ!この酔っ払い!」
そう強く否定するとシャンクスの周りにいたクルーが「お頭振られてやんの!」とか「高望みしすぎですよ!」とここぞとばぁりにシャンクスをいじめていた。
「…この船の連中はほんと明るいわね」
隣のスザクはベンとお酒がどんどん進んでいてもう私の入る隙間はなかった。
仕方ない静かなところに行こう。
私は飲み物と少量の食べ物をもって船尾のほうへ移動した。
そこにはだれもいなくてまるで一人別空間にいるような感覚だった。
「わぁ、きれい」
空は満点の星空でいつかスザクと軍艦で一緒に見た景色よりもなんだか迫力があるような気がした。
うん、たまには一人もいいかな。
持ってきたサラダとかをちょこちょこ食べながらのんびりしていると背後から誰か近づいてきた。
「よお、スカーレット」
そこにはシャンクスがいた。
「何?酔っ払いさん」
シャンクスは私の隣にドカンと座って一緒に空を眺め始めた。
「今夜は空がきれいだ」
「そうだね」
「一週間もすればエースたちが滞在する島につくはずさ。それまでの我慢だ」
「何?励ましてくれてるの?」