第13章 終局
「スザク、私は決めたよ。君はどうする?」
それだけ言うとスザクにはすぐに通じた。
「俺のあるべき場所は大将のところのみですからどこにだってついていきますよ」
スザクはニコッと笑ってくれた。
「んじゃ、さっそくセンゴクのところ…「ちょっと待ってください」えー」
久しぶりだよ、誰かに話を遮られるなんて。
しかも今回はセンゴクじゃなくてまさかのスザク。
ひどいやつ。
「なんで行っちゃだめなの?」
「だから、まだ包帯が取れてないって言ってるでしょう」
もー、またそれか。
私は聞き飽きたというようにくるっと方向転換する。
「せめて、包帯が取れてからにしてください」
そんな姿で火拳のエースに会いに行くつもりですか?と真っ黒な笑顔で言われました。
「もー、分かった分かった。包帯が取れればいいんでしょう」
私は包帯を巻いているところに手を当て淡い光を出した。
「はい、これで大丈夫」
私は服の間からするすると包帯を取った。
最初っからこうしていればよかった。
「じゃ、明日にでもセンゴクのところに行こう」
わたしはそれだけ言うとさっさと自分の部屋に戻った。
「さて、もう腹をくくったからにはちゃんと準備をしなくちゃね」
私は滅多に着ることのなかった私服を探すためタンスの中を漁りだした。
…のだが
「よくよく考えたら、私服なんか持ってるのか?」
いつも大将の服装のまんまで買い物に行ったりとか(流石にコートはとってる)で私服なんか着る機会がなかった。
「これは困った。こうなったら、最後の手段」
私さっき部屋に戻ったばっかだったのに…
と思いながらも私はある人の部屋を目指した。
彼女もまだ療養中だろうから部屋にいると思われる。
「たーしーぎー」
ノックもせずにドアを開けると予想通りタシギがコーヒーを飲んでいた。
彼女とは数少ない女性海兵として長い付き合いとなる。
「ス、スカーレット大将⁉」
「突然なんだけど、服を一着くれない?」
私が理由を話すと快く服をくれた。
少しラフだけど女性らしさを忘れない服だった。
「ありがとう!あともう一つ頼まれてくれない?」
少し驚いた顔をしたけど、これも快く引き受けてくれた。