第12章 頂上戦争
衛生兵が次々にやってきて手当を始める。
「スカーレット大将もこちらへ。ひどいお怪我です」
「…私はいい。後でちゃんと行くよ」
そう言い、私はセンゴクのところへ歩いていく。
ついて来ようとしたスザクは負傷者のほうへ回した。
「スカーレット」
センゴクは私に気付いて向き直る。
「お前のしたことは許されるものではない。仮にも海賊の手助けをしたのだからな」
センゴクの声はひどく低かった。
もちろん、センゴクはさっきまでの私の行動を知っている。
それを含めて私は気まずかった。
「あの…」
「だがこれからは好きにしたらいい」
意外にもセンゴクから出てきたのはお咎めではなかった。
正直なところ無事では済まないと分かっていてエース救済に手を貸した。
戦争が終われば海軍を離れるつもりであった。
しかし、それをセンゴクから好きにしろと言われると不思議な感覚だった。
「ただし、傷が癒えてからだ。それまでは海軍から離れることは許さん」
そういうとセンゴクはさっさと戻って行ってしまった。
私は予想外すぎたセンゴクの言葉に未だに固まっていた。
「ふふっ、変な人」
結局はセンゴクもスカーレットがかわいいのだ。
なんだかんだ言いながら最終的にはいつもスカーレットの好きなようにさせてくれた。
「スカーレット」
シャンクスが近づいてきた。
「傷が癒えたら俺のところへ来い。エースの居場所を教えてやる」
渡されたのはシャンクスのビブルカードだった。
「お前のことだ、もう海軍に縛られる気はないんだろう」
確信したように話す。
「もちろん。とりあえず、エースのことはお願いね」
「ああ、次に会えるのを楽しみに待っている」
シャンクスは白ひげ海賊団とともにマリンフォードを出て行った。
「さて、と」
私は言われた通り治療を受けるため本部へと向かったのだった。