第12章 頂上戦争
マルコが加勢しようとしても白ひげがそれを止める。
そんな様子を見て、私はやる気満々の白ひげの前に立った。
「なんの真似だ?スカーレット」
「悪いけど、あいつを恨んでいるのはあんた達だけじゃないの。それに、その傷じゃもうそろそろ無理でしょう?」
白ひげはじっと私の目を見ている。
まだ譲ってくれる気はなさそうだね。
「いい?私はエースに惚れてるの。愛しい人をこんな地獄の引き金にしたあいつを私は許さない」
白ひげは目を見開いていたが、すぐにいつものニヤッという顔をして、
「グラララッ。やってみろ、小娘」
「もちろんですとも」
白ひげに許可をもらうと私は黒ひげ海賊団に一歩一歩近づいていく。
「なんだぁ?海軍大将スカーレットじゃねぇか。おめぇぇ、俺たちの仲間にならねぇか?海軍なんかよりよっぽど楽しいと思うぜ?」
「嫌だね。なんで好き好んであんたなんかの所に行かなくちゃいけないのよ」
冗談はその顔だけにして欲しいね。
私は飴を取り出して口の中に入れた瞬間に噛み砕いた。
「ゼハハッ。気の強ぇ女は嫌いじゃねぇ」
「いや、私はあんたのこと嫌いだし」
スバっと切り捨ててやったらニタニタしてこっちも見てくる。
…気持ちワルッ!
「だか、お前と戦うのはまた後でだ」
黒ひげは能力を発動させた。
…何、あれ?
黒ひげの周りには黒い煙らしきものが集まっている。
「どんな能力かは知らないけど、白ひげと戦わせるわけにはいかないの!」
私は光速で黒ひげの目の前に移動し、思いっきり蹴りを入れる。
それにより黒ひげは奥に吹き飛ばされていった。
「あんただけは何があっても絶対に許せないのよ」
私は次々に能力を発動させて攻撃していく。
光、雷、風、私がコピーしているありとあらゆる能力を使っていく。
「はぁ、はぁ…」
さすがにこれだけの能力を使えば体力が持たないか…
すると、一気に私は何かに引き寄せられた。
「な、なにっ⁉︎」
見たところさっき黒ひげの周りを覆っていた黒い煙が私を黒ひげの方に引き寄せていた。
「このっ!」
私は風を使って脱出しようと試みるとなぜか能力を発動することができない。