第12章 頂上戦争
まぁ、確かに力の差は歴然としているしね。
けど、
「そんなんじゃ私には無駄だってわかっているでしょう?“神風”!」
「ゔぁっ!」
スザクは風によって切りつけられていく。
「っ!まだまだ!!」
それでも諦めようとせずに必死に私に向かって戦ってくる。
「大将!何故貴方がこんな事を…!」
スザクは手をめずに次々と攻撃を仕掛けており、私はそれを避けていく。
「何故…ねぇ。私は自分に正直になったの!」
隙を見つけて回し蹴りをくらわす。
「つっ…!貴方はいつもそうだ。俺の気持ちなんか知らないで、自由で…!俺は、そんな貴方が好きでした。けど!裏切るのであれば話は別です!!」
スザクの吐き出した言葉は今まで隠されていた本音のように聞こえた。
「上司の始末は部下である俺がつけます!“大海原の恵み”!」
私とスザクの上からまるで嵐のような大雨が降り始めた。
「なんのつもりか知らないけど、私には効果なんてないわよ!って…え?」
いきなり降り出した雨は一瞬にしてやんだ。
「なんのつもり?」
スザクを問いただそうとすると後ろからものすごい熱気がやってきた。
サカズキのマグマの熱気だった。
「もうっ!なんなのよ!…なっ、なに⁉︎」
突然私達の間に深い霧ができた。
「そう、これが狙いだったので」
大雨によって一瞬にして湿った空気がサカズキのマグマの熱気と反応したってわけね。
「目隠しのつもりなら意味はないよ?」
「いえ、そんなつもりはありませんよ。“凝結”」
私の周りに浮いてある水蒸気が氷となってまとわりつく。
動きを封じたつもりなのかな?
私の顔に出ていたのかスザクは
「動きを封じたつもりはありませんよ。いくらウェザウェザの実でも大将青キジのように氷を作り出す事は出来ませんが、気象によって作られた氷は操れます」
スザクが目の前で腕を横にスライドさせると私の動きを封じてあった氷が膨らみ始めた。
「なっ、なに⁉︎」
「“水蒸気爆発”(デス・ミスト・ボム)」
「うわぁっ!」
膨らみ上がった氷は一瞬にして大爆発を起こした。
「うっ…いたたっ…」
成る程。
水が膨張したのはスザクが氷を倍の気化に変化させたせいか。
水蒸気爆発…。
これがスザクの狙いだったわけね。