第12章 頂上戦争
すると何やら後ろが騒がしいことに気づいた。
その中には聞き覚えのある声があり、ちらっと後ろを向くとそこにはマルコが手錠を外すのに必死になっていた。
「まったく…見てられないわね」
「…⁉︎スカーレット!」
直ぐに私を見たマルコはギッとこちらを睨んできた。
そんなことはまったく気にせず、私はマルコの背後に回ると手錠を外した。
「なっ!何で…?」
「さっきの執行人の能力をコピーしてたのよ。役に立ちそうだったし」
現に今助かったしね。
「そんなことを聞いてんじゃねぇ!なんで俺を助けたんだよい!」
「あれ?白ひげから聞いてないの?…まぁ、仕方ないか」
私はそっと顔をマルコの耳元に寄せると
「エースを助けることにしたの。いい?まだ誰にも言わないでね」
そう言うと私はマルコから離れた。
あんまり海賊といてバレたら大変なことになるしね。
そんな中白ひげは最後の船長命令を出していた。
クルーは泣きながらも白ひげのいうとおり撤退していく。
さて、私もこれからどうしよっかな?
時期にこの戦争は終わるだろうけど、もう私は海軍に入るつもりはない。
海賊たちも次々と船に乗っていくし、これに紛れてここから出ていこっかな?
チラッとエースの方を見るとこのまま行けばなんとか麦わらと共に脱出できそうだね。
そう思っているとサカズキは海賊に向かって攻撃を再び始めた。
「ちっ!余計なことを!」
サカズキはわかりやすい挑発で白ひげ海賊団を足止めしようとしている。
勿論、誰も気にしてない。
…が、
「白ひげは所詮、千の時代の敗北者じゃけ」
この一言でエースの足は止まってしまった。
「ばかっ!そのまま早く逃げて!」
サカズキがいたらこっちも思うように動けないんだからっ!
そう願っていてもエースはどんどん炎を纏いながらサカズキと距離を縮めていく。
「この時代の名が白ひげだ!」
エースとサカズキの拳がぶつかる。
…だめだ。
マグマと炎は完全に上下関係にある、
この場合、勝つのはマグマ。
エースは不利になる!
予想通りエースはマグマに焼かれた。
麦わらも限界になったのか、膝をついていた。
サカズキは麦わらの方を見ると、そのまま攻撃を仕掛ける。
「もうっ!兄弟揃って、最後の最後で!」
私は思いっきり麦わらの方へ向かう。