第4章 めぐりあい
「なのにおめえらはどうよ?寺に肉屋は来るわ、酒屋は来るわ、女が来るわ。偉そうに説教垂らしたいならまず、お前らの仲間にやったらどうだぁ、あ?」
ぎりぎりと、奥歯を噛み締めながら頭は目の前に立つ男を睨む。耳障りな音が夜の静寂に小さく、不気味に響く。
後ろの方で今まで何も言わずにそこにいた仲間が慌てたように腕に触れてくる。
「お、おい。それはちぃっとばかし言い過ぎじゃあねぇか…?」
「うるせぇ、引っ込んでろ腰抜けが!人が死にゃあ坊主を呼ばないかんがこいつらのためにいくら金使うのかお前も知ってるだろ!でもなぁ、こいつらの経に本当はいったい、いくらの価値があるってんだ?
どうせ糞みたいな経をあげられても今が楽にはなるわけじゃねえ、きっと俺らは死んでも極楽にも行けねぇ。だったら今、少しくらい楽しんで何が悪い?こんなとこで寝てる馬鹿な女を一人抱いていい思いして何が悪い、あ?」