第2章 遠い日の記憶
まだ小さかった頃、おばあちゃんが私に話してくれたことがあった。
いくつの頃だろう、空がとても綺麗な日だった。暖かい日差しを浴びながら縁側で眩しそうに空を見ていたおばあちゃんが私を呼んでくれた。
少し離れた所でお絵かきをしていた私は構ってもらえたことが嬉しくて思わず駆け寄った。それを少し驚いたように、でも嬉しそうに見るとおばあちゃんは私を膝の上に乗せてくれた。そして背中越しにぎゅっと抱き締めてくれた。
お香の香りを微かにまとうおばあちゃんの腕のなかがとても暖かくて心地よかったのを覚えている。
どうしたのおばあちゃん、と訪ねた私をにこやかに見つめるとおばあちゃんは話をしてくれた。