第3章 めざめ
幸いにもあと少しで着くことが携帯のナビで分かっていた。もうすぐつくはずの旅館からの景色や料理、露天風呂のことを考えながら優希は歩いていた。
(景色はどんな感じかな?口コミのサイトで見た写真だととっても綺麗だったなぁ。
あ、でもお風呂にまずはいりたいかも。ちょっと温まってから浴衣に着替えて外をゆっくりと歩きながら景色を思い切り楽しむのも風情があっていいな。
でも今の時間だとご飯の方が先かな。土産物屋さんで食べたお漬物はどれも美味しかったけれどもきっと旅館のご飯も美味しいんだろうな…あー考えただけでお腹が空いてきた!!)
考えれば考えるほど優希の顔はどんどん嬉しそうになり、自然と歩みも早くなる。
そんな優希の目の前を何かが横切った。
「…………ん?」