第4章 二人のカタチ
おそ松side
しばらくして一松が目を覚ました。
一松はまだ怠いのかぐったりしている。
「一松、大丈夫か?喉乾いてないか?」
ホント過保護。
「ん、ドクペ欲しい」
「そうかっ待ってろすぐ買ってくるぞ!」
カラ松は慌ただしく出て行った。
俺は漫画を手に取り一松の横に座る。
「お前、本当大事にされてるのね?お兄ちゃん安心しちゃった」
一松は何のことだと目をそらす。
「おそ松兄さん、止めなよ!本当にデリカシーないんだから!」
「別に大事にされてるなって聞くぐらいいいじゃん!トド松考え過ぎ~」
するとトド松は頬を膨らませて言う。
「変なこと考えてるのは兄さんでしょ!・・・でも」
と、トド松は言って俺と一松を挟むように座った。
「僕も一松兄さん大切にされてるなって感じた!」
一松が突然立ち上がる。
顔は見えないが耳が真っ赤だ。
「何なの、二人とも・・・寝起きなのに煩くてイライラするんだけど」
そう言って出て行ってしまった。
俺はトド松と見合った。
「ホント、素直じゃないよね」
「それ取ったら一松じゃないからね」
すると外から何やら話し声が聞こえてきた。
窓の外を見遣る。
俺はトド松に窓の外を見るよう指さした。
そこにはカラ松に抱き着く一松が居た。
「「ホント、素直になったよね」」
明らかに変わった一松に正直びっくりした。
逃げるばかりだった一松。
そんな一松なりにカラ松には素直に接することを意識して頑張ってるんだろうな。
スローペースの一松に寄り添って歩幅を合わせるカラ松。
その愛に応えて頑張る一松。
一見カラ松に頼り切りなようでそうじゃない。
カラ松にとってこれほどの喜びはない。
何気にうまいことやってるじゃん。
お兄ちゃん安心した。
俺は漫画を開く。
その横で少し寂しそうなトド松。
可愛い弟たちの心のケアが必要だな。
お兄ちゃんって本当大変。