第17章 初めてのクリスマス(クリスマス)
飾り付けが終わったと同時に玄関の開く音がする。
「ただいま。あら、とってもいい匂いじゃない!」
「ニート達がどんな夕飯を作ったのか楽しみだな、母さん」
ダディーとマミーの足音が居間の前で止まる。
二人は口をあんぐりと開けて炬燵の上の食事は勿論、居間全体を見渡した。
「こりゃ驚いた・・・」
そう呟くダディーの横でマミーは涙を拭っている。
そんな二人をチョロ松とトド松が台所にある、二人のクリスマスディナーが並ぶテーブルへと案内する。
俺もそこで初めて台所のテーブルに目をやった。
テーブルの上には小さなプレゼントが二つ並んでいる。
これにはダディーも涙を流しているようだった。
そこで再び玄関の開く音がして、おそ松の声が帰宅を告げる。
俺達も炬燵を囲み、おそ松を迎え入れて、チョロ松とトド松に渡されたクラッカーを構えた。
「メリークリスマーーーーーーーース!!!」
重なり合う家族全員の声にクラッカーの小気味良い音とカラフルなリボンが花を添えた。