第15章 スイートよりビター
カラ松side
チョロ松とトド松が部屋を出た後、おそ松が突然吹き出した。
「どうした?」
「いや、前にもこんなことあったなって思い出しちゃって・・・クスクス・・・俺がカラ松の服貸してくれって言った時の一松の表情・・・だーはっはっはっはっ」
おそ松は畳をバシバシと叩いて腹を抱えた。
「お前、気づいてたのか⁉︎」
「逆に気づかないと思った?一松さ、お前の服装に憧れてたのかな?それとも、カラ松の事が好きだからとか?あの時にはカラ松の事好きだったのかな?」
俺はそう言われてみればそういう話をしたことがないから一松がいつから俺のことを好きなのか知らないなと、顎に手を当て考えた。
「一松も子供だよな〜?お前にちょっかい出してたのって、きっと小学生が好きな子に意地悪しちゃうあの心理でしょ?…ちょっと度がすぎるけど」
そう言ってまた腹を抱えるおそ松。
「何がおかしいんだ?可愛らしいじゃないか?」
「石臼投げつけられたりバズーカ打たれたりしてよくそんな風に思えるね?お前もしかしてマゾ?」
「マゾではない!ただ、素直になれない一松を可愛いと思うだけだ」
「ん~、一松にも可愛い所があるのは分かったけどそこは分かんないわ~」
そう言いながらおそ松は千円の軍資金を手に部屋を後にした。