第15章 スイートよりビター
「嫌な事を思い出させて悪いが、男にこんな事されたら高木に襲われた時の事を思い出してしまうんじゃないかと思って・・・」
カラ松はそう言うと、俺の手を取って大事そうに両手で包んだ。
「大丈夫だよ、カラ松・・・お前なら俺はちゃんと嬉しいし、して欲しいと思ってるから」
こんな事口にするのは柄じゃないけど、カラ松の手からも表情からも言葉からも、俺をどんなに大切に思っているか伝わってきて、嬉しくて、自分もカラ松をどれだけ思っているか伝えたいと思ったら自然と口が動いた。
そして、俺はカラ松がやってくれているように、空いている方の手でカラ松の手を包み込んだ。
「だから触ってよ?・・・カラ松」
言葉を言い終わるが先だったか、カラ松が動くのが先だっただろうか、カラ松はきゅっと眉間にしわを寄せると俺に抱き着いてきた。
その勢いで俺は背中からベッドに倒れこんだ。
そして、口づけを合図に続きが始まる。
カラ松の唇がまた徐々に俺の中心へと向かう。
再び襲い来る興奮と期待と・・・これは何だろう?
正体不明の感覚が俺を襲う。
その感覚に再び体を震わせカラ松の腕にしがみつくとカラ松が口端を上げた。
「一松、興奮しているのか?」
「わ、わかんな・・・何か、俺・・・へんっ」
「一松、何がどう変なのかお前の口で教えてくれないか?」
カラ松はいつもの優しい表情でそう囁く。
「そ、そんな・・・わかんな、ーーーっ!!」
言葉の途中でぞわりと襲う謎の感覚。
カラ松はゆっくりと俺に尋ねる。
「ここが感じるのか?」
「感じてるとは思うけど・・・」
「けど?」
「そこじゃない?」
自分の事なのによくわからないので自然と疑問形になってしまう。
カラ松は小さく笑うとまた俺の体に唇を落としていく。
それはついに俺の足の付け根まで下りて気た。
震えが来そうで来ない、もどかしい様な感覚に小さく震える手をカラ松を求めて伸ばした。
「カラ松・・・握って?」
カラ松は俺の立てた両ひざの間に座り、そこから俺の両手を恋人つなぎの様にして握ってくれた。
そして、既に頭を擡げた俺の亀頭に舌を這わした。
久しぶりの感覚にビリビリと電気が走った様になり、腰が跳ねる。
その余韻のように再びあの感覚が襲ってきて体が震えた。
「また震えたな?でも、やっぱり亀頭が感じているからではないんだろう?」