第14章 熱に浮かされて(バイト編)【紅松】
夕方になり、十四松が泥だらけで帰ってくる。
十四松の汚れ様にチョロ松が目くじらを立てる。
「も~、いったい何をやったらそんな事になるんだよ!あっ、上がってくるなよ!?家の中汚れちゃうだろ!・・・おそ松兄さん、もう銭湯行こう!」
「ほいほーい」
俺は兄弟を呼びに二階に向かう。
チョロ松も着替えを取りに上がってきた。
襖を開けると一松もトド松も寝ていた。
俺は一松を、チョロ松はトド松を起こす。
「一松~、一松~!」
「んん?・・・すーすー」
「返事して寝るな!!お前、また紙縒りで鼻から火を噴きたいの?」
すると、一松は飛び起きたけど、またもやトド松は起きないらしい。
「トド松、銭湯行くよ!」
チョロ松が無理やりタオルケットを引きはがしたところでトド松がむくりと起き上がった。
「今日は家で入るよ~、寝かせて~」
「それは構わないけど・・・お前、そんなにきついなら今日は僕が成り代わってバイト行こうか?」
「ほんと!?・・・あ、いや・・・大丈夫、ただ眠いだけだし、まだ寝る時間はあるから」
そう言うと、チョロ松の手からタオルケットを奪い取ってボフンと音を立ててソファーに横になった。