第2章 想い
「はぁ!?」
と、チョロ松兄さん。
「僕も一松兄さんのこと大好きだよ~」
と、十四松兄さん。
「十四松兄さん、兄さんの言う好きとは違うんだ」
「ちょ、ちょっと待ってよ!俺達兄弟だし男」
「だから何だよ」
おそ松兄さんが低いトーンでチョロ松兄さんの言葉を遮った。
「兄弟を愛しちゃいけないって同性を愛しちゃいけないって誰が決めたんだよ。一松には誰かの助けが必要なんだ。でも、あいつは人と関わることに臆病になってる。そんな一松でも、カラ松なら助けられると思うんだよね。あいつ、すっげー自信家じゃん?暑苦しいくらい熱いし!」
後半カラ松兄さんを馬鹿にしているともとれる内容だったけど、一松兄さんをカラ松兄さんなら救える。
僕もそう思えた。
チョロ松兄さんも少しう~んとうなっていたけど、一松は押しに弱そうだし適任なのかなと言って納得したようだった。
十四松兄さんもうんうんと頷いた。
そしてびしっと挙手した。
「はいはいはいはーい!」
「はい、十四松」
おそ松兄さんがどうぞと手を出す。
すると十四松兄さんが僕の肩を組んできた。
「僕達も一松兄さんの力になりたいです!」
僕は十四松兄さんが僕と同じ気持ちで、それをわかってくれてたことが嬉しくて頬を染めた。
おそ松兄さんとチョロ松兄さんは顔を見合わせて微笑んだ。
「あったりまえだろ?お前たちも一松元気づけてやってくれよな?あと、カラ松の手助けも!」
「カラ松兄さんだけじゃ不安だもんね」
うんうんと僕と十四松兄さんとおそ松兄さんがまとまりかけた時、チョロ松兄さんが待ったをかけた。
「カラ松に一松の事を任せようっていうのは納得いくんだけど、一松をおとす必要あるの?」
僕と十四松兄さんは確かにと見合わせた。
するとおそ松兄さんがいーじゃないかと入ってくる。
「ついでだよついで!お前の恋路応援してるぞって焚き付けて公認にした方がカラ松も全力の愛を一松に注げるだろ?その過程でくっつくかどうかはどーでもいいの」
「要するにカラ松利用されてるだけ?」
その場がカラ松兄さんを憐れむ空気に包まれた。
でも、これでカラ松兄さんの恋の歯車は十年の時を経て動き出したわけだね。
寂しいけど、応援してるよ
カラ松兄さん!