第1章 悪夢
4月××日
『お前、邪魔なんだよ』
『消えろ』
『めざわり』
『キモっ!』
『死ね』
『ゴミ屑が!』
がばっ!
「はっ!・・・はぁ、はぁ」
俺は目覚めの悪さに舌打ちをしながら立ち上がった。
外は明るくなりかけていて、部屋の中も見渡せるくらいだった。
流石にみんなまだ寝息を立てている。
シンと静まり返った部屋では、そんなはずはないんだけど早くなった心臓の音が周りに聞こえてしまいそうで、そっとベランダに出た。
朝の涼しい風が嫌な汗もすっと引かせていく。
薄くなりかけた紺色の空を仰ぎながら、夢のこと思い出した。
「くそ・・・」
小さくつぶやきながら座り込み、立てた両ひざに頭を埋めた。