第7章 俺のモノ!
カラ松side
最近一松はトド松と出かける事がある。
今日もその日なようで路地裏にはトド松と行くからと昨日から言われていた。
俺はマイギターを片手に屋根に上り、作曲するでもなく奏でるでもなくただ無意識に時折弦を弾いて出かけていく兄弟たちを眺めていた。
一松とトド松は何やら楽しそうに二人でトド松のスマホを覗き込みながら歩いて行った。
一松が居ないとこんなにも寂しいものかと毎度思い知らされる。
以前に比べると少し明るくなった一松。
今まで不機嫌な顔しか見せてこなかった一松が俺に微笑んでくれることも増えてきた。
それはとても喜ばしいことだ。
だけど、その笑顔を兄弟といえど他の奴らに一人占めされるのはやはり妬けてくる。
俺は寂しさから溜息を吐く。
「こんなんじゃダメだよな・・・気晴らしにでも行こう!」
俺はモチベーションを上げるつもりでパーフェクトファッションに身を包み外に出た。