第5章 戦う勇気 手放す勇気
裕兄side
静かすぎて眠れへん………
この家ってこんなに広かったっけ?
こんな風に感じるんは
両親がおらんなった時以来ちゃうかな(笑)
あの時本当は俺だって
不安で寂しくて仕方なかった……
それでもあの時は
なのかがおった…
寂しいって泣きながら
布団に潜り込んでくるなのかを
抱きしめながら
強くなろうと思った……。
でももしかしたら
俺はそんななのかに
ずっと救われてたんかもしれんなぁ…
"いつまでも子供のままおってくれへん"
そんなん分かってる…
"人を好きになるな…"
そんなん無理なこと俺だって分かってる
でも怖いねん……
なのかが俺から離れていくんが…
たった二人の家族やからこそ
なのかが俺から離れて行ったら
今度こそ俺は一人ぼっちになる。
その事が
俺には怖くて仕方ないねん…………