第5章 戦う勇気 手放す勇気
泣き続けるなのかにヘルメットを被せて
バイクの後ろに乗せる…
「寒いけど…
ちょっとだけ我慢してな…?」
そう声をかけても
なのかから返事は返ってこなくて
仕方なく無言のまま
家までバイクを走らせた……
家に着いてからも
なのかは一言もしゃべらず
ただうつ向いたまま
ソファーに座っていて…
こんな時でもすばるくんなら
なのかを笑わせることが
出来たりするんかな……?
なんて軽く自己嫌悪に陥る……(涙)
「ごめんな…なのか?
全部…全部…おれのせいやな……
でもたぶん横山くんだって
本気であんなこと言うたんちゃうから…
俺のことは許されへんでも…
なのかのことは別やから…」
そう言って下を向いた俺の手に
なのかの小さな手が重なって…
顔を上げると
「私は大丈夫だよ(笑)
私ね…昨日すばちゃんに言われたんた…
決めるのは私なんだって…。
ちゃんと覚悟決めたから…
私は…大丈夫」
そう言って
泣き腫らした目で笑うなのかが
俺を見つめてた…