第5章 戦う勇気 手放す勇気
ベッドから起き上がり
泣いてるなのかの手を握りしめ
「さっきの言葉
横山くんが本気で言うたんなら…
なのかは俺が連れていく…。
取り消すんなら今やで…?」
そう言って横山くんの目を
じっと見つめる…
"あほか!"
って言うて?
"誰が連れていかすか!"
そう言うて怒って?
今横山くんが"あかん"
そう言うて止めてくれんかったら
俺はまた…
なのかを泣かすことを
せなあかんなるやんか…?
お願いやから…引き留めて……?
そう必死に願ったのに
横山くんの口から出た言葉は
「勝手にせぇ……」
の一言で……
そう言うと横山くんは
俺の視線から逃げるように目をそらす…
あぁ…もう最悪や……(笑)
最悪の結末やけど
もう後には引かれへん…!
だから俺はなのかの腕を掴んで
下を向く横山くんの横を通りすぎ
家を出た………。