第5章 戦う勇気 手放す勇気
裕兄side
仕事が早く終わって家に帰ると
玄関に見慣れたなのかの靴が並んでて
"帰ってきてるやん(笑)"
なんて嬉しくなって……
階段を急いでかけあがり
「なのか…開けるで?」
そう声をかけ部屋の扉を開いた…
扉の先には
"ただいま"
そう言って笑うなのかがいると思った…
でも実際の俺の目に映ったんは
ベッドの上で
大倉に腕枕をされて
眠ってる二人の姿で……
ありえへん…ありえへん…ありえへん…(笑)
「やめろよ………」
そう小さく喉から漏れた声に
「ん……裕兄……?」
なんて…
ゆっくりと目を開けたなのかと目が合う…
本当は…
"おかえり…昨日はごめんな?"
そうなのかの顔を見たら
言うんやって決めてた……
でも目の前の光景に
頭がしびれて何も考えられなくて
気付くと俺は…
「……出ていけ……
この家から二人とも出ていけ!!」
予定とは違う
そんな言葉を叫んでた………