第4章 秘密の代償
突然私の隣にごろんと寝転がり
目をつぶるたつ兄を訳がわからなくて
見つめていると…
「必死に我慢してるんやから…
そんな顔で見つめんといて(笑)?」
そう言って笑うと
私の開いたシャツのボタンを指で止め
乱れた服を直したつ兄は
私を抱きしめる…
「我慢してくれるのは…
私のため………?」
そう抱きしめられた腕の中で
問いかけると…
「ちゃうよ………?
ただ俺がここから先は
横山くんに認めてもらってからじゃないと
嫌やねん(笑)
俺は一回"お兄ちゃん"の信頼を
裏切ってるからさ…
今度は逃げずに向き合いたい…。
じゃないとなのかも…
心から笑われへんやろ(笑)?」
そう言うとたつ兄は
「ちょっとだけこのまま眠っていい……?」
なんて私を抱きしめたまま
目を閉じる……
少しすると
静かなたつ兄の寝息が聞こえてきて…
「ありがとう…たつ兄………」
そう小さく呟いて
私も温かいたつ兄の腕の中で
静かに目を閉じた………