第3章 たつ兄の秘密
いつものように収録終わり
帰り支度をしてた俺に
近付いてきた村上くんに
「なぁ…お前最近なのかに会うてるか?」
なんて言う胸にチクリと刺さる一言を
言われて…
「うん…
最近少し忙しかったから会ってないけど
何で……?」
そう聞き返した俺に
「なのかがな…?
"最近たつ兄は?"って
会うたびにうるさいねん…(笑)
お前に彼女がおるんは知ってるし…
会ってやれとはなかなか言いにくいんやけど
でもなんか見ててかわいそうでな(笑)?
なのかはお前が大好きやからな?」
なんて村上くんは
少し申し訳なさそうに笑う………
なんでかな…(笑)?
なんで村上くんはそんなに
無神経に俺の心を乱すん…?
俺だって会いたいに決まってるやん…
俺だってなのかが大好きや…
なぁ…村上くん……?
俺は…なのかを好きな気持ちを
我慢せんでもええの…………?
我慢せなあかんと思うことさえも
もう辛くて仕方ないねん…(笑)
村上くんのそんなたった一言で
俺の心はぐらんぐらんに揺さぶられて
必死にかけてた心のブレーキが
その時バラバラに崩れるんが解った…