第1章 365日家族
なのかside
"ピンポーン"
玄関からインターホンの音がなった瞬間
私はこたつから飛び出して
「こら!走ったら転ぶぞ?」
そんな
"私は幼稚園児ですか?"
なんて言いたくなる
すばちゃんの声を無視し
ウキウキしながら玄関の扉を開けた。
なのにそんなウキウキをぶち壊すように
そこにいたのはたつ兄
じゃなく…
見知らぬおじさんで……(涙)
私を見てにっこりと笑うおじさんに
"しまった(汗)!"なんて後悔した所で
時すでに遅しで
急いで閉めようとした扉を
おじさんはその手でがっしりと掴んで…
「新聞…取ってくれへん(笑)?」
そう恐ろしい笑顔を見せる……(涙)
あまりに怖くて
「いや…あの…
新聞は他で取ってるんで…」
そう言って改めて扉を閉めようとした
私の手をおじさんが
がしりと掴んできて…(涙)
「大丈夫やで…
お試しで一週間だけでもええから(笑)
お姉ちゃんかわいいから
遊園地のチケットもつけたげるから…な…?」
そう言って
おじさんが私に一歩近付いた瞬間
おじさんの後ろから
「なにしてんの……なのか(笑)?」
そんな待ちに待った
たつ兄の声が聞こえてきた……(涙)